
事実、多くのポンプメーカーが突発的な故障に歯止めをかけることを検討している。より安全な密閉容器の実現のためである。
ダブルメカシールは旧来のポンプで確かに利用されているが、残念ながら複雑なシステムを必要とし、膨大な初期費用と難題なメンテナンスを必要とする。
マグネットポンプは構造的に漏れないから漏えいを監視する必要がない。この点、ユーザーに莫大なランニングコストの削減をもたらす。

さらにマグネットポンプでは、シール交換なしで直動式モーターを約30kW以上まで容易に使用できる。
この点、カップリングコストの低減だけに留まらず、モーター/ポンプシャフトのセンタリング(芯出)の必要性や、関連故障や動作不能時間の低減にも寄与する。
結果的にパッケージサイズも縮小化され、スペースが極限の用途でもマグネットポンプが理想的なものとなるのである。
一般的にはマグネットポンプは空運転してはいけない。しかしそれはシールポンプでも同じことだ。
シールは潤滑性を保つため表面上に微量の液体を横断させる。ドライ運転は好まない。よって、重大な用途では漏洩の監視が必要なのである。

マグネットポンプはあらゆる方向からこの状況に対応する。まず初めに、ポンプメーカーは概して不正常状態の発生時にポンプをストップさせる単純な監視装置を奨励している。これは動力の消費を感知することで役目を果たす(図2)。これらの装置はメカニカルシールポンプにも役立つかもしれない。 第二に異常状態下でより優れた対応力と、ドライ運転可能なベアリング材を開発しているメーカーもある。マグネットポンプのベアリング技術力の向上が空運転可能期間をさらに伸ばしてくれることを期待している。
標準的なマグネットポンプのベアリング材はシリコンカーバイドであり、それは非常に硬いものではあるが、サーマルショックや機械的衝撃の影響を受け易いものであると説明されている。しかし、これと同じ材質がメカニカルシールでも使用されている。
異常状態(ドライ運転など)に落ち入ってもポンプ内部には液が残っており、これによってベアリングの潤滑性を促進し、短時間のドライ運転でベアリングが破損してしまうことを防止することを忘れないで欲しい。
運転温度の考慮に関連して適切なマグネットを選択することについても議論したい。
異常状態が温度変化をもたらしマグネットの強さにダメージを与えることがある。しかし、上記で述べた動力監視装置(パワーモニター)がこの事態を防止する。マグネットポンプをドライ運転したり、吐出弁を閉じて運転したりすると、モニターが異常を感知し、ポンプを停止させる。
マグネットポンプが脱調し、そして“ポンプがこの状況下で長期に渡り運転を行うと、マグネットは恒久的に減磁してしまう。”という指摘もある。その内容は動力監視装置(パワーモニター)がこの問題を解決する。動力監視装置(パワーモニター)は流量・比重・粘度の上昇といった問題に対応する。