活用事例

クラフトジンの蒸留・製造

京都蒸溜所 様

イギリスの製造技術に京都・日本ならではのボタニカル(植物)を使用して蒸留されたプレミアムクラフトジン、「季の美」(KI NO BI)。
スクリューキャップを開き、ボトルを鼻腔に寄せた瞬間から、まるで森林の中に身を置いたような奥深さと、胸のすく清涼感に包まれます。
「味」や「香」の一言では表現できないようなこの世界観に、イギリスで開催される世界的コンペティション、International Wine and Spirit Competitionは金賞で応えました。

京都蒸溜所 様

(真ん中)ヘッドディスティラー アレックス・デービス氏
(左)ディスティリングチーム 佐久間 雅志氏
(右)弊社営業部 坂井 大樹

京都蒸溜所では、サニタリー製が高く、メカニカルシールのない三和ハイドロテック製マグネットポンプ、「サニマグ」シリーズを2台導入していただいています。今回は、ヘッド ディスティラー アレックス・デービス様および、ディスティリングチーム 佐久間 雅志様に、独特のクラフトジン製造方法をはじめ、その工程での三和ポンプの使い勝手や効果について率直な感想を伺いました。(以下、敬称略)

「サニマグ」について詳しくはコチラ

International Wine and Spirit Competition 2017 GOLD AWARD

International Wine and Spirit Competition
2017 GOLD AWARD

京都蒸溜所
京都蒸溜所

京都で生まれた唯一無二のジャパニーズ・クラフト・ジン

こちらで製造されているクラフトジンについて教えてください。

こちらで製造されているクラフトジンについて教えてください。

ディスティリングチーム 佐久間 雅志氏

佐久間氏:一般的にジンは、麦・じゃがいも・トウモロコシなどの穀物を原料とした高濃度アルコールにジュニパーベリー(西洋ねずの実)をはじめとするハーブやスパイスを漬け込んで蒸留したお酒です。
当社のクラフトジンは、ジュニパーベリー、柚子(ゆず)、レモン、宇治玉露、檜(ひのき)、赤紫蘇(しそ)、笹の葉など11種類のさまざまなボタニカルを加え、特別な製法でつくられたジンです。

商品名「季の美」(KI NO BI)にはどのような想いが込められているのでしょう。

佐久間氏:私たちは、旬のものを旬のピークに使いたいと考えています。例えば材料の柚子ひとつをとっても、いちばん良い状態のときを選んで使いたい。
農家さんに採取にも行きます。そのように旬の状態を封じ込めた素材を組み合わせてつくられたテイストなので、私たちは「季の美」と名付けました。

その他にも京都蒸溜所様ならではの特徴はありますか?

その他にも京都蒸溜所様ならではの特徴はありますか?

ポンプ接続口(下段)と操作部

その他にも京都蒸溜所様ならではの特徴はありますか?

操作部背面に設置された
「サニマグ」

佐久間氏:ベースとなるアルコールの原材料は、通常、麦やじゃがいも、トウモロコシが使われますが、京都蒸溜所ではお米を原材料としたアルコール度数95%以上の高濃度ニュートラルスピリッツを使用しています。「季の美」の柔らかさを得るためにも、最も重要な材料のひとつですが、このベース原酒をタンクへ移送するのに「サニマグ」を使用しています。

こちらのサニマグの使い勝手はいかがですか?

佐久間氏:特に何の不安も意識することもなく、いつもスムーズに液を送っています。音も静かでメンテナンスもほぼ必要ありませんから、まずポンプを意識することがありません。それほど安心しています。

ユニークでわかりやすい継手ですね。

佐久間氏:この継手を付け替えることで送り先のタンクを変えることができます。スイッチの横にはカウンターが付いていて移送した液の量がわかります。配管口径1.5Sですが、何のストレスもなく液を移送してくれます。

――それでは工場内にご案内いただいて、三和ハイドロテックの「サニマグ」ポンプが製造工程でどのようにお役に立っているのかを伺いたいと思います。

すべてが繊細なバランスの上に成り立っていますから
音やクリーンさを気にしないですむポンプが良いのです

趣と心地よさを感じる工場エントランスですね。

佐久間氏:ありがとうございます。この工場内で「季の美」を製造しています。蒸留をしていますから、少し暑いかもしれません。エントランスから工場内が見えるようになっています。

とても多くのタンクがありますが・・・

工場内に立ち並ぶタンク 手前の背の低いタンクがマセレーション用

工場内に立ち並ぶタンク
手前の背の低いタンクがマセレーション用

佐久間氏:マセレーション(浸漬)用のタンク、ブレンド用のタンクと数々のタンクがあります。通常のジン製法に比べてタンクが多いのですが、これは「季の美」の特徴でもあります。

どのような特徴でしょうか?

ヘッド ディスティラー アレックス・デービス氏

ヘッド ディスティラー
アレックス・デービス氏

佐久間氏:ジンは「ワンショット ディスティレーション」といって、ひとつのタンクに複数の素材をいっしょに入れて浸漬し、炊きあげて蒸留します。ジンでよく言われるワイルドな感じもその方法で出ると思います。でも、私たちの目指す方向とはちがいました。たとえば、柚子やレモンなどの柑橘類と比べて、檜は漬け込むのにより多くの時間がかかります。私たちはベストな品質を求めるため、ボタニカルを別々に浸漬して蒸留します。そのためにブレンディング(混和)する作業も発生します。ブレンディングはさらに繊細で、その商品開発、商品アイデンティティの一貫性・品質の管理をアレックスが行っています。

アレックス氏:私たちは11種類のボタニカルを6つのグループに分けて浸漬を行い、それぞれマセレーション用のタンクを用意しています。蒸留はグループごとに最良の状態と時間で行われ、その蒸留液をあとからブレンドしますからブレンド用のタンクも必要になります。
「季の美」は京都をはじめとする日本の厳選されたさまざまな地の物を使用しています。ブレンドは単なる和洋折衷ではなく、「共存」していなければなりません。個々のボタニカルの個性を引き出し合いながらハーモニーを形成することがとても大切なのです。すべてはバランスの上に成り立っています。

そのような繊細な工程で、サニマグはどう使われているのでしょうか?

ブレンディングタンクで稼働中!

ブレンディングタンクで稼働中!

佐久間氏:いま、ちょうどここで使われています。ブレンディングタンクから製品を引いてまたタンクに戻すことで、数時間をかけて攪拌を行っています。

他にはどのような使われ方をしていますか?

三和ハイドロテック製「サニマグ」MS型 稼働中でも極めて静か

三和ハイドロテック製「サニマグ」MS型
稼働中でも極めて静か

佐久間氏:瓶詰めの場所は別の部屋で行っていますが、ブレンディングタンクから瓶詰め用のタンクへと移送する際にもこのポンプを使っています。

工場内で使われているサニマグについての印象をお聞かせください。

佐久間氏:離れたところへも問題なく送れますから、パワーの点で問題はありません。工場外にある先程の「サニマグ」も、わりと長い距離を送りますが同様にパワーがあると思います。

御社で必要とされるポンプの条件とはどのようなものでしょう。

佐久間氏:そうですね、だいたい以下のような条件です。
・ 飲料・食品に適するクリーンさ、清潔さ
・ メンテナンスが最低限ですむこと
・ 音が静かであること
・ パワーがあること

その中で最も重要な条件とは何ですか?

佐久間氏:どれも重要ですが、意外と「静粛性」は大切です。これまでにお話しさせていただいたように、「季の美」はとても繊細なバランスの上に成り立っています。ブレンディングはとても繊細で、五感をすべて使っての「官能」が必要です。このときに音が大きかったりすると集中できないので、静かであること、あとメンテナンスに時間を取られないことは私たちにとって大切なことなのです。

サニマグを採用のきっかけはどのような経緯だったのでしょう。

タンクに取り付けられたラフ・インターナショナル有限会社様の銘板

タンクに取り付けられたラフ・インターナショナル有限会社様の銘板

佐久間氏:京都蒸溜所は設立時の設備一式をラフ・インターナショナルさんに依頼しています。三和ハイドロテックさんの「サニマグ」はラフ・インターナショナルさんの勧めによるものです。

ラフ・インターナショナル有限会社

ラフ・インターナショナル有限会社

~飲料に関わるすべてのことをゼロから~

ラフ・インターナショナル様では、マイクロブルワリーから大規模醸造所や蒸留所、そして、飲食店の設計からビアシステムまで飲料に関わるすべてをゼロから創りあげています。今回取材させて頂いた京都蒸溜所様の他にも、ラフ・インターナショナル様の施工によるクラフトビール設備で、「サニマグ」を多数採用頂いています。国内・海外を問わず最適な機器を選定するプラント設計姿勢の中で、三和ハイドロテックのポンプが選ばれています。

納入ユーザー様

オラホビール

オラホビール

サンクトガーレン

サンクトガーレン

奈良醸造

奈良醸造

ビールファクトリーカミカゼ

ビールファクトリーカミカゼ

松本ブルワリー

松本ブルワリー

醸造所・蒸留所の設立から店舗の設計までを手がけられていますね。

佐久間氏:そうです、高品質な設計とデザイン、高い技術で私たちの要望を実現してくれました。その中で、このような使いやすい「サニマグ」を搭載してくれたのは感謝したいですね。

――ありがとうございます。

リリース時からトップクオリティ
たとえば千年、それを続けていきたい

取材の最後に、京都蒸溜所内のテイスティングルームでこれから紡がれる未来と、その中で三和ポンプに期待されることについてお話しを伺いました。

はじめに佐久間様に、これからの方向や未来について伺いたいと思います。

京都蒸溜所 テイスティングルームにて

京都蒸溜所 テイスティングルームにて

佐久間氏:「クラフト」という定義はあいまいです。言ってしまえば、(造っていれば)何でもクラフトかもしれません。でも、私たちが見ているビジョンはイージーなものではなく、ただ手作りだからそれでいいというわけではありません。そこから生まれるプロフェッショナルのもの、妥協のないジンづくりです。
人気が出て、だから量が増えて何かが犠牲になるということはしたくない。発売してから約1年半ですが、海外でも私たちのジンは賞を受賞しました。「はじめから最高品質を目指す」その情熱に宇治の老舗茶園様も、江戸時代から続く唯一の唐紙店様も共感していただき「季の美」があるのだと思います。私たちは日本で初めてのジン専門蒸留所としてスタートしました。たとえば千年、トップクオリティを保ちながら造り続けて、この京都の歴史の一部になれれば最高だと考えています。

その中で三和ハイドロテックポンプの役割はどのようなものでしょうか。

佐久間氏:三和さんのポンプは、まずトラブルがありません。クオリティを追求するジンづくりにおいて送液の心配がない、心配の必要がないことはとても大切です。ローメンテナンス(手間ひまかけずに長時間使い続けられる)とはこのようなことだと思います。これからも「そこにあってあたりまえ。」という品質のポンプでありつづけてもらいたいと思います。

では、アレックス様が見る京都蒸溜所の方向や未来とはどのようなものでしょう。

京都蒸溜所 テイスティングルームにて

京都蒸溜所 テイスティングルームにて

アレックス氏:彼(佐久間氏)が言ったことに加えるようですが、量を増やしたいから機械化するというのは、すでにクラフトではありません。私たちが機械にセットしているのは温度設定やアラームぐらいで、すべては自分たちの目で見て、手で触って行っています。果実や植物は自然のもので、一定ではありません。だから、私たちは常にその時点での最高を求めて̶̶̶̶強いパッションでジンづくりを行っています。長期的な視点で見て、品質管理をしっかり行って、妥協をしないことが大切です。いくら時が流れても、「ちょっと変わったな・・・」ということがないようにしたい。それだけ、現時点で「季の美」の品質は高いものだと考えています。
「季の美」は日本のプレミアムジンの火付け役となりました。ジン専門の蒸留所も日本ではここだけです。パイオニアとしての存在感を保ちつつ、「限定品」などのギミックではない、しっかりとしたストーリーとアイデンティティのある商品づくりをしていきたいと考えています。

三和ハイドロテックポンプに期待されることは?

アレックス氏:私たちの仕事はポンプなしでは成立しません。エッセンシャルな役割を担っていて、何度も何度も液を移送しながら商品は完成します。三和ハイドロテックさんのポンプはこの蒸留所ができたときからありますが、1回のトラブルもありません。今後もこのような製品であり続けていただきたいと思います。

――ご協力、たいへんありがとうございました。

京都蒸溜所

所在地:
〒601-8363
京都府京都市南区吉祥院嶋野間詰町15
サイト:
https://kyotodistillery.jp/
京都蒸溜所