STORY ポンプのお話
ポンプについて
どんなポンプがあるか(ポンプの用途と種類)
1)ポンプの用途
ポンプの用途は実にさまざまです。液体のあるところにはどこかに使われているのですから。まず水の移送に使われています。身近なところでは水道水を各家庭に送っているのがポンプです。下水にも使われています。マンションやビルで水を上の階に上げるのもポンプです。このような生活用水の他、農業用水・工業用水が湖、河川、ダムからポンプで農地や工場に多量に送られています。大雨で都会に雨水が溜まって家屋に浸水しないように排水するための防災用途にもポンプは使われます。
次に石油です。石油の用途はガソリン・灯油・潤滑油など石油精製品で使う場合と石油を原料として化学製品を造る場合とがあります。燃料や潤滑油は液体です。またポリエステル、ナイロン、プラスチックなどの衣類・生活雑貨・機械の部品などの化学製品を造る時も石油から精製したナフサなどの液体を経て化学製品に変わっていきます。ですから石油精製所や石油化学工場ではこれらの液体をポンプを使って移送し、いろいろと手を加えて次第に最終製品を造っています。
化学工業の工場では塩酸、硫酸、硝酸などの酸、苛性ソーダなどのアルカリ液がポンプで移送されながら化学反応して肥料、セメントなどの製品が造られます。 IT関連ではコンピューターの部品の洗浄液や冷却装置の冷媒を送るポンプが、環境分野ではごみ焼却灰やダイオキシンの処理システムで、食品分野では飲料・だし汁・食品製造、交通機関では自動車・船・飛行機・電車・新幹線でポンプが使われています。 ポンプはこのように人間の生活や産業のあらゆる分野で使われているのがおわかりいただけると思います。
2)ポンプの種類
ポンプの種類は、用途や大きさによって実に多種多様にあります。現在使用されているものは、ポンプの原理から容積式と非容積式とに大きくわけられます。
- 容積式ポンプ(一定の量を送る)は 水鉄砲のようにポンプの中に一定量の液体を吸込んで、その液体を押し出すものです。往復動させるポンプ(ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ)と、回転させるポンプ(ギアーポンプ、ねじポンプなど)があります。
- 非容積ポンプ(送る量が一定でなく圧力で変化する)には 遠心ポンプとカスケードポンプがあり、現在最も一般的に多く使用されているのが、この遠心ポンプです。また、ポンプの分類として多段ポンプ、立型ポンプ、水中ポンプ、自吸式ポンプ、キャンドポンプ、マグネットポンプなどと呼ばれることがありますが、それらは機能や構造の特微から遠心ポンプの中で分類した呼ばれかたです。